神様がくれた休日~真話か偽話か空耳か~

フィクションともノンフィクションともつかない一人話を 時には まじない交え思いつくままツラツラと・・

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Posted by 空耳ロバ on

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◆幻舞1

Posted by 空耳ロバ on

秋風が爽やかに感じる、よく晴れた初秋の日曜日、久しぶりに古都の町を訪ねた。

落ち着いた風情のある神社仏閣は、厳かな近寄りがたい静けさと香の豊かな香りが妙に落ち着き、心が癒される。

「最後にあそこへお参りをして帰ることにしよう。」

“あそこ”とは、行ってみようと思いつつ、いつも時間がなく寄ることの出来ない、美しい癒しの伝説空間と言われているあの場所だ。
万が一迷った時のための用心にと地図を片手に、癒しの伝説空間へ足を運んだ。

裏通りを来たせいかすれ違う人もいない石畳の細い道は、一段と古都の風情を楽しませてくれる。

確かこの辺なはずなんだけどな・・・・

石畳の細い道は樹の多い茂った森の中へ続いていた。

ヒトーン・・・ヒトーン・・・
張り詰めた滴の音が反響している。

私はその張り詰めた音に誘われるように細い道を奥へ奥へと入っていった。
細い道が途切れたその先には喩えようのない妖艶な癒し空間が広がっていた。

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「わあ!マイナスイオンたっぷり!!」

苔むした石に深い緑色の草、大きな樹から差し込む木漏れ日が、少し湿度のあるその石や草を照らし妖艶に光らせている。

木々の間から零れる光は、水面を通し差し込んでいるかのように見える。
草は、左右に緩やかにふわふわとその動きを水の中で任せているようにも見える。

「綺麗だけど、なんか・・変・・水中みたい。」

遠くで滝の流れる音が聞こえるが、私はこの癒し空間になぜか踏み込むことが出来ず、先に勧めないまま、その場に立ち止まり妖艶な光景を眺めていた。

笛と鼓の音であろうか・・・
その音は、遠くから静かに近くへと移動してきた。

私は身を隠すようにして樹の陰から様子を窺った。
「アッ・・何かいる。」

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いつのまにか、光の差し込む中央に娘がいる。
そして木漏れ日がまるでスポットライトのように娘の舞を照らし出している。

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私は美しき娘の舞にしばし見とれていた。

『そこの者・・』

?へッ?わたし?
「は、はい。」

『どうなされました?しっかりなさいませ・・お気を確かに。』

?私ではないらしい・・・と言うより私の声は娘には聞こえていないようだ。
では誰に?

「ん・ん・ん・無念じゃ。。。」

娘の舞うその脇には一人の武士が倒れていた。


------------------ちょっと短めですが、つづき・・・また明日です-----------------


30日は中秋の名月を迎える週末、台風の被害が出ませんように・・・
各地でよいお月様が顔を出してくれますように・・・
素敵な週末となりますように・・・








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◆幻舞2

Posted by 空耳ロバ on

------------------------- 幻舞1 の つづき 2 デス ------------------------


光を受けて舞う娘の脇に倒れている一人の武士は、その風貌から戦国武将であることが私にも容易にうかがえた。


「殿、殿、との・・・無念・・無念・」
既に虫の息である戦国武将はうわ言のように無念だと繰り返している。

『ひどいお怪我をなさって。さ、此方で手当てを・・』
娘は軽々しく武将を抱き上げ、光の奥へ消えていった。

先ほど返事をした私の声は娘には聞こえていなかった。
と言うことは、私の姿も見えないはずだ。

私は娘の後を追い、光の差し込む奥へ入って行くことにした。
だが、
光の差す奥は、滝の音はするものの、岩に阻まれその先へは進めない。
せっかく此処まで来たのだ。
娘の消えた先には何があるのか、瀕死の重症を負った戦国武将はどうなったのか気にかかる。
どうしても見たくなった私は、岩が交差する隙間に膝を付きながら出来るだけ近くへ行き、水の音がする方へ目をやった、その先には・・・

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大きな岩盤から絹糸のような柔らかい滝が湧き出るかの如く流れ、その流水は緩やかな勾配がごく自然に湧き水池へと運んでいる。
なんと美しく神秘的な場所なのであろう。


「うう・・・んんん・・」

意識を取り戻した武士に娘は言った。
『お気づきになられましたか?』

「これはかたじけない。先を急ぐゆえ、礼はまた改めて。
娘、名は何と申す? 拙者、北・・」

娘は名を名乗ろうとした武士の口を遮り、『しーっ。私は貴方様を存じております。』

「拙者を知っていると申すか?」

『はい、北条家ご家臣、邦英様にございましょう。
私は歌や舞などを披露いたします歌舞、白拍子の咲にございます。』

「白拍子?それでは・・・源氏の?まだ生き残りが?
忘れよう。 命を助けてくれたそなたへのせめてもの礼じゃ。急ぐゆえ。」

『そのようなお姿で、どこへ急ぐというのですか?』

「そなたに言うことではあるまい。」

『東勝寺でございますか?東勝寺でしたら既にございません。』

「ない?ないとはどういうことだ?」

『焼失してございます。』

「焼失?馬鹿な・・愚弄する気か!!たわごともいい加減にせぬと許さぬぞ!」

『たわごとではございません。
今は2012年、平成24年にございます。』

「平、成?と・・?24年と?・・・」

『さようでございます。平成24年、2012年でございます。
ですから邦英様、私と同じ。貴方様のお帰りになるところはないのです。』

「・・・・」娘の言葉に、黙ったまま、ただ呆然と立ち竦む武士であった。


---------------- 根気なく、ごめんさない。 つづくデス -----------------
台風17号、勢力を保ったまま本州に接近しています。
どうか、これ以上、被害が出ませんように・・・・
台風!なくなれ~!!!・・・魔法が使えたらな、、、、

よいこと素敵なことがありますように・・・





◆幻舞3 最終話

Posted by 空耳ロバ on

------------------- 幻舞2 の つ づ き 3最終話 -----デス----------------


歌舞の白拍子「咲」から、現在は2012年であり東勝寺は既に焼失したと聞かされた武士「邦英」たが、当然のことながら「咲」の話を信用できず、自らの目で確かめると言い出した。

『それはようございますが、お武家様は肩、背、腕を刀で切られ、矢を打たれ虫の息でございました。
その傷は今、お痛みがございますか?』

「それは・・そう言われれば傷もない、痛みもない。
いかなる手当てにて拙者の命を助けてくれたのだ?」

『。。。困りましたね。。
貴方様は既にお亡くなりになっているのです。此方をご覧ください。』

白拍子「咲」は、武士「邦英」を輪が広がる湧き水池の湖面へと連れて行った。

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「おお、寺があるではないか。」

『こちらは東勝寺ではございません、この寺は鎌倉時代の後、室町時代に再度建立された興福寺の五重塔でございます。今では日本で二番目に古い塔にございます。』

「ほほぉー。日本で二番目に古いとな。。そなたは面白いことを言うな、鎌倉時代の次に室町とは。」

『150年続いた鎌倉幕府は終焉し後醍醐天皇による室町時代となるのです。
その後、安土桃山時代から江戸時代と時代は流れ、鎌倉時代から700年続いた武家政治は終焉となります。
その後は明治、大正、昭和と移り代わり、現在は平成24年でございます。
よいですか。
ですから今、貴方様が出て行ったところで、単なる変質者、腰の物については銃刀法違反で逮捕されまする。』

「変質者?とは?銃刀法違反とは?いかなる意味じゃ?」

咲はため息混じりに言った。
『しかたありません。それではつづけてご覧ください。』

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「んん。。。この茂みは敵軍が潜んでいそうじゃ。
そなたも重々用心して拙者の後に付くが良い、遅れを取ってはならぬぞ!」

『ここは・・・申し上げにくいのですが、、、現在の東勝寺跡にございます。
その脇を奥へ進みますと「腹切りやぐら」がございます。
そこは870名もの北条家ご家臣が自害をなさったところにございます。』

「な、、なんと・・そこへアナイせよ。」

『あないせよ・・・ふふふ、、、まるで殿のようなもの言いにございますね。こちらです。』

「このような粗末な洞穴で自害をしたと言うのか?
このような卒塔婆1本のみで870名もの尊い命を弔っているというのか・・なんと悲劇な、、
おっ!!!これは何重の塔と申す物か?」

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『こちらは東京タワーにございます。現在の日本の首都、東京にございます。』

「東京とな・・?首都とな・・?これはまた奇なことを申す娘じゃの・・
して、娘、咲と申したな。
咲殿の話によれば、咲殿は800年以上もここにおることになるが、
なにゆえ、800年以上もここにおるのじゃ?
ここで何をしておったのじゃ?」

『私は、家宝を守り、大切なお方をお待ちしながら、こうして行き場を見失われた武将の方々を私の歌舞にてお慰めし無事に天へ上がれますよう案内をしているのでございます。』

「・・・大切なお方?
その者と会いたいが故に、敵の武将と知りながらも迷い武士をアナイしながら800年以上もここで待っていたというのか?」

『お家の為と懸命に戦って来られた武将に敵も味方もございません。
いずれも戦国犠牲のお方達にございます。
800年以上も大切なお方を待つ女子など、政治と戦いに心を奪われている殿方からするとおかしなことにございましょうね。』

「おかしなものか、若狭・・・」

『?????今、何と仰せになりました?若狭と?若狭とおっしゃいましたか?』

「そなたのその優しき心根を大事に思うぞ、長く待たせたな、若狭局。」

『頼家さま?』

「忘れていたか、そなたが自害した舵苦止井戸と大町の六方井は繋がっていることを・・・
そなたを驚かそうと思ってな、六方井からそなたを迎えに来たのじゃ。
さあ、参るぞ、若狭。」

二人の去った癒し空間には優しさと思いやりが残っていた。

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----------------------------- お し ま い -----------------------------


お忙しいお時間最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

明日が良い日でありますように・・・
おやすみなさい。





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