神様がくれた休日~真話か偽話か空耳か~

フィクションともノンフィクションともつかない一人話を 時には まじない交え思いつくままツラツラと・・

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Posted by 空耳ロバ on

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◆ 因果応報 Ⅲ~満月の願い~

Posted by 空耳ロバ on   1 comments   0 trackback

4つ繋がったボールの「応」と「報」は外れたが、まだ「因」と「果」がくっついたままだ。

なんだか漢字から見てもやっかいそうだなぁ。
あっ!アゲハ蝶・・
今日も天然巨大オーブンの中にいるような暑さだ。
大きな木の下で涼を取る私の前にヒラヒラ・・ユラユラ・・
まるで挨拶をしてくれているようだ。


薄暗い部屋の中で丸くなり布団を被っているその体は、時折、小刻みに震えている。
被った布団の中から、
手が出ては引っ込み、引っ込んではまた手が出る。
そして、その手が再び出る時には、丸めたティシュが飛んでくる。
こんな状態は、既に2週間も続いている。

楽しい時も、悲しい時も16年間共に歩んできた大切な家族、猫の「あか」が死んだのだ。

布団の中で、その大きな体を丸め脱力感とあかの骨壷を抱え、悲しみが引く「時」をジッと待ち、耐えている姿は見るに忍びないほどだ。

「そんに悲しまないで下さいませ。わたくしはここにおります」
あかは布団の傍に座り、飼い主の男に声をかけている。

男は布団から這い出し、ふらふらと立ち上がり台所へ向かった。
血の気のひいた青白い顔はまるで幽霊のようだ。
ゴクン、ゴクン・・・
よほどの水分を放出したのだろう、男はコップ3杯の水を腹に流し込んだ。
ひとしきり台所の椅子に腰を下ろし、茶トラにかぎ尻尾だった「あか」の写真を眺めていたが、再び、布団へ戻り、骨壷を抱え丸くなった。
水分を補給された体内は憔悴しきった男の体を眠りへと誘った。

「とら様、とら様、あかでございます。
わたくしは大切にされ、こんなに思われ、大変幸せものにございました。
ですから、どうか、どうか、そんなに悲しまないでくださいませ。
今宵は満月にございます。
とら様が、もしも、また、わたくしをお呼びくださるのでしたら、満月の今宵にムーンストーンを口に含ませ、わたくしが再び、とら様のお傍に参れますよう念じてくださいませ。
そうしていただければ、きっと、きっと、わたくしはとら様のお傍に参ります。」
ここで夢は終わった。

*満月と新月のまじない
新月の日にピンクの紙に願い事を書くと願いが叶うと言われている。(但し、書き方があるので注意!)
満月の夜に月の下でムーンストーンを口に含み願い事を言い、念じると叶うと言われている。(石を飲み込まないように注意!)
※いずれもボイドタイムには絶対に行わないこと!!


目が覚めたとらは、なぜか晴れやかな気分になっていた。
それは夢で「あか」が言ったとおり、今夜は満月だからだ。

早速、ムーンストーンを買いに外へ出た。

ムーンストーンを探し回っていると少々お腹が空いてきた。
それもそのはずだ。
「あか」が亡くなってからと言うもの、とらは2週間何も口にしていなかったのだ。
「あか」とよく行った猫カフェに立ち寄り、食事を取り、常連仲間と「あか」の思い出話をしているとらの顔には、やや赤みが差してきた。

「とら様、少しお元気になられましたね。あかはお役に立ち嬉しゅうございます。
そろそろ暗くなってまいりました。夜道は危なうございます、お供いたします」

くっきりと浮かんだ満月がとらの帰宅する足元を明るく照らしてくれていた。

「とら様を無事にお送りするまでがわたくしのお役目にございました。
では、ここで。
とら様、ありがとうございました」


「あか」の3回忌を迎えた年、茶トラにかぎ尻尾の痩せた仔猫が迷い込んできた。
「あか」が迷い込んできた時と同じ隙間から・・・

「おっ、あか・・待ってたよ」



張り付いて離れなかった「因」と「果」の白黒二色のボールが外れた。

「あれ?一つのボールが二色に別れてたんじゃなかったんだ。
繋がってたからそう見えたんだ。へぇー」

『因縁じゃよ。皆、意味があり巡ってくるのじゃよ。
善い行いは善いこととして返り、悪い行いをすれば悪いことが返って来る。
一死七生なんじゃ。
だから因果応報なんじゃよ。』

「一死七世?死んでもまた生まれ変わるってこと?」

『そうじゃ。だからそう悲しむこともないのじゃよ。
果たせなかった夢は次にまた生まれ変われるのじゃからな。
おぉ、おぉ・・蝶が飛んで来たな・・そうじゃな、もうそんな時期じゃな・・』

「お盆ってこと?蝶って亡くなった人の魂なの?あれっ、神様?・・どこ?・・」

「因」と「果」の文字は消え、ボールの中にはキラキラと色鮮やかな無数の細粒が輝いていた。
そして、その回りを蝶がふわふわと往ったり来たり・・・

『ほれ、落し物じゃぞ。一緒に入れておくんじゃろ。』
神様は、転がり、追うことをしなかった「報」の字のボールを木箱に入れた。




Comment

アリー says...""
空耳ロバさん、こんばんは。ペット(犬猫)の殺処分は私も断固反対です。

最後に「アカ」のストーリーで、見事に昇華させていますね。

砂利を噛むような感覚が続くと思ったら、清涼水で一気に流れ、「応報」だけを残した神様の優しさが良いです。

時間の許すときに、またお邪魔します☆彡
2012.12.11 20:36 | URL | #- [edit]

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