神様がくれた休日~真話か偽話か空耳か~

フィクションともノンフィクションともつかない一人話を 時には まじない交え思いつくままツラツラと・・

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◆インターフェイス6

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-------------- インターフェイス5 の つづき 6 ------------------デス----------


数日後、君江の面会申し込みをしていた医療刑務所から連絡が来た。

「今回の面会申し入れは、棄却されました。」

「君江さ・・いえ、藤田君江受刑者が拒否したのでしょうか?」

「いえ、本人は面会を要求していますが、当所の判断で今回の面会は見送らせていただきます。」

「わかりました。後日、改めて申請いたします。」

やっぱり・・・・・


尚美先生は、私と君江を会わせまいと、君江の治療に悪影響を及ぼす恐れがあるとして私の面会申し入れを却下するよう上申したのだ。
君江は今のところ受刑者の一人だ。
その担当精神科医の申し入れとあれば、たとえ君江が私との面会を強く要求したとしても所側は却下せざるを得ないだろう。

これほどまでに尚美先生が隠したい事、イコール、真犯人に繋がる手がかりがあるということなのではないか?
心のどこかでこんなことになるのではいかと思っていた私は、面会却下との連絡にまたしても前進した気持ちになった。

早速、弁護士の近藤に連絡を入れると、近藤は少し困った様子で言った。
「確かに尚美先生の行動はおかしいし、怪しいけど、由紀が君江に面会できないとなると、弱ったなぁ・・・
君江に再審請求をする意思があるのかないのかさえも確認ができないなぁ。
いくら弁護士といっても、面識のない僕がいきなり面会を申請して万が一にも君江に再審請求の意思がないってことになると・・・ん~」

何か言い手立てはないものか、お互いに「ん~・・」と言ったきり数秒が経った。

「・・・・!・・・・そうだ!!! 一つだけ方法があるわ。
コンちゃんが直接君江と会う前に私が君江と面会して再審請求の意思を確認する方法。
うまく行かないかもしれないけれどやってみる価値はありそう。
待ってて、必ず面会できるようにするわ。
でも、もしダメな時はいい案をお願いね!」

そう言って受話器を置いた私は、すぐさま医療刑務所長宛に手紙を書くことにした。

刑事被収容者処遇法111条1項では受刑者の面会に関して ①〝親族〟の他に
②〝重要用務処理者〟と③〝受刑者の改善更正に資すると認められる者〟とある。
簡単に言えば、受刑者と面会できるのは、①の親族以外には、再審請求等の相談を受ける弁護士や支援者や、受刑者が経営する会社の業務処理や方針の相談をする会社関係者など②の重要用務処理者か、③の面会によって受刑者の改善更正に役立つ人物、例えば出所後の身柄の引受人や、釈放後にその受刑者を雇用しようとする者であり、いずれの場合も支障がない限り面会を許さなければならないとの定めがあるのだ。
弁護士の近藤(コンちゃん)は②の再審請求をする弁護士に該当し、私は再審請求をする支援者の②にも、そして、③にも該当する。

私は小さいながらもカウンセリングルームを開く心理カウンセラーだ。
尚美先生に隠していたわけではないが、予約が入った時にだけカウンセリングルームに出向き、それ以外は特に熱心に仕事をしていたわけではなく、精神科医でベテランカウンセラーの尚美先生に言えるほど満足に仕事をしていなかったため言わずにおいたことだった。

私は資格証明書のコピーとカウンセリングルームの所在地を記した名刺を添付し、君江の出所後、彼女の雇用を検討しているため、数回の面談を強く希望するとの内容で手紙を出した。
よほどの妨害がない限り、これで君江との面会は可能になるはずだ。

数日後、案の定、医療刑務所からは良い知らせが届き、2つ目の窓を開ける日が訪れた。

前回と同じように担当の職員が面会室まで案内してくれた。
案内された面会室は、前回の堅苦しい雰囲気の面会室とは異なり、木枠の窓に円形のウッドテーブルを挟み、2脚の木製の椅子が置かれた休憩室のような雰囲気の面会室だ。

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椅子に腰掛け待っていると、君江が連れてこられた。
君江は私を見ると微笑み、黙って腰を下ろした。
その微笑んだ顔見た看守は少し驚いた表情を浮かべた。

「君江さん、こんにちは。」

『こんにちは。また会えて嬉しいです。』

「私もです。今日は幾つかお尋ねしたいことがあって・・・
と、、、あの、席を外していただけませんか?」

前回、尚美先生と同行した面会の時には立会わなかった看守が、今回は部屋の隅に椅子に座り、面会に立会っている。
話を聞かれたくなかった私は、看守に離席を要求した。

「今日は立会いと言うことになっています。」

「刑事被収容者処遇法112条では、職員の立会いは“必要があると認める場合”のみに限られ、原則、立会いなく面会できるとされていますが、今日は君江さんの状態が悪いのでしょうか?」

「所長のご判断ですので。」

「では所長に、」

『由紀さん、大丈夫。それよりすみません、少し窓を開けて欲しいのですが・・』

 看守は黙って席を立つと、窓を少し開けた。

(由紀さん、聞こえる?)

「え?」《・・あ・・うん、聞こえる。》

(これで話が出来るから平気。)

《そうね、でもずっと黙って座っていれば逆に怪しまれるわ。
当たり障りのない話から始めるわね。》

(わかった。)

「えっと、君江さん食事はきちんと摂れていますか?」

『はい。』

《ちょっと、ちよっと、そんなに短く答えたら続かないでしょ。
何か適当に答えてくれないと。》

(ああ、うん、わかった。じゃ、この看守にも聞かせてやりたいことがあるから言うね。)

『食事はいつも療法食とかで実際はあまり美味しいものではありませんが、
労働もせずに3食頂けてありがたく思っています。』
(フフフ・・優等生の答えでしょ?)

《調子いいわねぇ。》

「そうですか。で体調はどんな?」

『あのババァ・・じゃない、えっと、尚美先生との面会がなくなりホッとしましたので気分もとてもよいです。』

「面会がなくなった?」

『はい。治療はこの中の医師と心理カウンセラーの由紀さんにお任せしたいと思います。』

「でも私は医師ではないので、治療はできませんが・・」
(ちょっと、適当なこと言わないでよ!私が今日の面会を取り付けるまでにどれだけ苦労したと思ってるのよ。)

『でも、こうして面会にいらしていただけるだけで、安定してきます。』
(知ってるわよ、だから、あのババァをお役御免にしたのよ。)

《ババァって・・口が悪いわね。尚美先生が聞いたら怒るわよ。
君江さん、尚美先生のこと嫌いだったの?》

(あんな強欲な嘘つきババァ大嫌い。
由紀さんとこうして会えるまでの間、使わせてもらってただけよ。)

《ふぅーん・・強欲で嘘つきかぁ・・・》

(そうよ、私の話しなんてまったく信じていないくせに、適当に聞き流して、
早く事件を片付けたいものだから、弁護士と結託して解離性障害だなんて病名付けて、貴方もそのほうがいいでしょだって。)

《でもなんで、弁護士と結託なんてする必要があるの?
弁護士が早く事件を片付けたいのはわかるけど、精神科医の尚美先生には理由がないでしょ?》

(大有りよ。あの尚美ババァは、あの弁護士の愛人なの。
由紀さん、法廷で何見てたのよ。)

《へぇーあの尚美先生がねぇ・・・ああ、それでね、今日の本題なんだけど、
私は君江さんが犯人ではないと思ってるの。
無実なのにここに入っているなんて、待ってるジュディも可哀想だわ。
それで、再審請求をしてみない?弁護士は私の友人の、》

(知ってる。キャバクラ好きの近藤でしょ?結構なイケメンじゃない。恋人?)

《まさか。学生時代からの友人よ。彼はね、キャバクラこそ通うものの、男色なの。彼のキャバクラ通いはカモフラージュと社会勉強みたいなものよ。
で、どう?再審請求する意思はある?》

(あるもある大有りよ。だって私じゃないんだもの・・・)

《わかってる。
でもなぜ、控訴しなかったの?国選弁護人じゃなくて私選弁護人に変えて控訴すればよかったのに・・》

(控訴で私選弁護人じゃお金がかかりすぎるもの。)

《だって、君江さん50でしょ?50まで独身でずっと仕事してきたのに貯金してなかったの?》

(美容につぎ込んでいたから。
私はいつも細くて、若く綺麗でいるのが当たり前。いなきゃいけないのよ。)

《どうしてそんなに拘るの?少し痩せすぎと思うけど・・》

(だから病気って言われたんじゃない。)

《解離性障害、不安障害、摂食障害、などなど・・でしょ?》

(そう!おまけに虚言性障害、妄想性パーソナリティ障害)

《・・それはちょっとあるかも・・》

(失礼しちゃうな・・由紀さんだから許せるけど他の人が言ったら許さないところだわ。)

《でも他人の嘘には敏感でしょ?そういう人はね、多少なりともあるのよ。》

(うん、確かに他人の嘘は直ぐにわかるかもしれないわ。)

《もっとも、君江さんの場合は霊感でわかるわね。
病気のことはともかく、次回の面会の時にコンちゃん、あっ、近藤弁護士のことよ。一緒に来るわ。》

(うまく行くかなぁ・・)

《やってみよう!
それで、この前言ってた金のパンプスって、犯人が履いていたっていう理解でいいの?》


「ん、うん!あの、お話がお済のようでしたら、もうよろしいでしょうか?
今日は面会が混んでまして・・そろそろ30分経ちますので・・・」

面会時間は原則30分以上と決まりがあるが、その日の混み具合や面会室の都合で面会時間は5分以上30分未満の範囲内で制限される。

傍目から診ればお互い黙ったまま、ただ顔を突合せ座っているようにしか見えない。
話がない、済んだと思われるのも当然だろう。
職員の立会いの場合は、面会の様子を録画、録音されるのが通常であるため、
私は次回の面会の約束を取り付ける言葉を加えた。

「最後に確認だけ、よろしいでしょうか?
では君江さんは、ここを出た後は職につく意志がおありですか?」

『はい、勿論です。由紀先生のところで働かせてください。』

「あと、もう一つ。再審請求の準備を進めてもよろしいですか?」

「お願いします。」

これを聞いていた看守が驚いた表情で私に言った。
「再審請求をするということですか?」

「はい。次回は再審請求の打ち合わせをする弁護士と一緒に参りますのでよろしくお願いいたします。」


この日、私は開いた2つ目の窓を閉じるのを忘れ、医療刑務所を後にしたのだった。


------------------------- つづきはまた次回 ---------------------------------

遅くなってしまいました、、、、、、
なんか間延びした感じになってしまいました、ごめんなさい。。
少しスピードUPします。
   ので・・・・・
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お休みもあと2日。
乾燥し過ぎでそろそろお湿りが欲しいところですが、
成人式の日は晴れますように
(↑とっくに終わってるくせに?あっでも父兄ではありませんよ~!成人の皆様のために晴れます様に)

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