神様がくれた休日~真話か偽話か空耳か~

フィクションともノンフィクションともつかない一人話を 時には まじない交え思いつくままツラツラと・・

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Posted by 空耳ロバ on

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◆インターフェイス8

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------------------------ インターフェイス7 の つづき 8 ---------------------

まずい・・・

君江の瞳が写した炎と同じ、青色の炎を映し出していた弁護士の友人近藤(コンちゃん)の瞳を見た私は、君江の2つ目の窓を閉め忘れたことに気がついた。
今から戻ったところで面会時間は過ぎている。
忘れ物をしたとでも理由をつければ入れてもらえるだろう。
だが、先ほどまで面会していた同じ部屋で君江と会うことはできない。


窓を閉め忘れたことで、君江はずっと私の傍にいたのだ。
私はとっさに鎧を着けた。
が、目の前にいるコンちゃんには鎧を着けてあげることはできない。
直ぐにでも窓を閉めに行かなければ・・・

まさか・・


「?なに?何か言った?」

「いえ、なにも・・」

「な~んかさっきから誰かが何か言ってる声が聞こえるんだけど、由紀、ホントに何も言ってない?」

「うん。大丈夫?コンちゃん。きっと疲れているのよ。今日は早めに休んだ方がいいわ。」

「ああ、そうかもしれないな。このところ君江の件で色んな人と会ったりしてたからかな・・・」

「ごめんね、厄介なこと頼んでしまって。
それにしてもこれだけのこと、よく調べ上げたね。すごいわ。」

「まあね。伊達にキャバクラ通いしてないよ。
女の子達にバイトで頼めば動いてくれるからね。
たまたまその中に一人、高野まゆみの中学生時代を知る同級生が運いただけなんだけどね。
それと高木と同僚の石川は司法研修生時代の同期なんだ。
あいつも由紀と一緒だよ。
弁護士会に納める年会費がもったいないと弁護士にはならずに一般企業に就職したんだ。
(*弁護士会に会費を納め登録をしなければ企業においても弁護士としての活動は一切できず、単に法律に詳しい人というだけになります。)

あー痛ッ痛タタタ・・女の人ってよくこんなもの履いて歩けるよね。
こうして立っているだけでも足が痛くなってきた。
これで突き飛ばして逃げるって・・やっぱり無理がないか?犯人は男なのかなぁ?
巨漢の高木を突き飛ばせるほどの腕っ節の強い大女ってのはどう?」

「ん~・・・それは・・・もう一度考えてみる。
そろそろ帰らないと。猫が待ってるから。」

「おお、じゃあまた連絡して、こっちからもするから。」

「うん、じゃあ・・」

「あっそうだ。先週の月曜日、代官山歩いてたよね?
声、かけそびれちゃって。」

「ええ?歩いてないわ。代官山にはもう2年くらい行ってないわ。」

「あれぇ~そっかぁ。じゃ見間違えだ。よかった声かけなくて。」

「そんなに似てた?」

「うん、髪型も髪の長さも雰囲気もソックリだった。」

「やだぁ、そんなに似てる人がいるんだ。」

「由紀を知ってる僕が見間違えるんだか・・・
あれ・・もしかして君江と似てる人が犯人?・・ありえなくはないよなあ。
とにかく君江が事件当日、家にいたことが証明できて、高野まゆみの証言の裏を取れば、冤罪が証明できるな。由紀は引き続き君江の方を頼むよ。」

(そうね、それがいいわ。
しっかりね。でも貴方ごとき人間にこの謎が解けるかしら・・ふふふ)

《君江さん、いい加減にして!黙りなさい!》


「なに?やっぱり由紀なんか言ってない?」

「いえ、何も・・」

「ああ、やっぱり今日はもうこれで帰って休むことにするよ。じゃあな。」

「うん、また連絡するわ。」

ごめん、コンちゃん・・・・
私は、弁護事務所を後に、重い足取りのまま帰宅をした。

そう言えば、尚美先生は君江について身体醜刑障害を克服すれば全ての障害は治るであろうと言っていた。
そしてそうなった原因もあるはずだと言った。
けれど、君江はそう簡単にはいかない相手だ。
一層のこと、明日、閉め忘れた窓を閉じたらこの件から手を引いてしまおうか・・・

「ナぁー・・クゥーん・・」いつにも増してジュディが甘えてくる。

「ジュディ、貴方は人間の言葉がわかるの?
わかるなら教えてちょうだい。貴方の元飼い主さんは大変な人だったのね。」


翌朝、午前中に面会の申し入れをしていた私は約束の時間よりも早めに到着した。

「今日は面会の予約に空きがありますから、時間制限はありませんので。」
そう言いながら職員は案内してくれた面会室のドアを開けた。

「あっ・・・すみません、昨日と同じ部屋がいいんですが。」

「はい、そのように伺っておりましたが、あの部屋は使用中ですので、ここでお願いします。」

これは困った。
あの部屋でなければ君江の窓を閉じることができない。

「では、申し訳ないのですが、あの部屋が空きましたら移動したいのですが。」

「原則、面会室の希望は受けておりません。」
少しムッとしたように職員は言った。

「お願いします。
あの部屋でないと君江受刑者の落ち着きがなくなり、カウンセリングはおろか雇用についての面談もできない状態になるんです。
お願いします。」

「でも、今日は無理です。こちらで・・」

『私なら大丈夫です。由紀さん、おはようございます。』
後方から看守に連れてこられた君江が私に声をかけた。
君江は笑みを見せながら私の前を過ぎ、面会室の椅子に腰を下ろした。

「では何かありましたら、これで呼んでください。」
職員は部屋の隅にある電話を指差して言い、出て行った。


(来ると思ってた。)

《そう・・やっぱりお見通しなのね。》

(昨日はありがとう、窓、開けておいてくれて。気分転換ができたわ。)

《今日はそれを閉めに来たのよ。その前に聞きたいことがあるの。
まさかとは思うけれど、》

(これを見て。)
君江は面会室のテーブルに指でなぞり絵を描いた。

《これは?》

(見ての通りよ。インターフェイスってわかる?)

《知ってるわ。境界面や仲介するもの中間、その他、コンピューター用語としても周辺機器を繋ぐ接続面をそう呼んで使われることもあるわ。》

(ご名答。
たとえばパレットに白の絵の具と黒の絵の具を半分ずつ出しても仕切りでその色同士が混ぜ合わさることはない。
でも仕切りを外せば、白と黒は混ざって灰色になる。
コンピュータの接続部分に指定した機器を規則的に繋げていれば、当然、稼動する。
そしてそれを違うところに差し込めば動かない時もあれば誤作動を起こす場合だってある。
それがインターフェイスよ。
私はみんなのインターフェイスを実現してあげただけよ。
ありがたがられても犯人にされる覚えはないわ。)

《・・・もしかしたらと思ったけど、やっぱりね・・・・
君江さん、貴方は自分のしたことがわかっているの?
これもインターフェイスなの?じゃ金のパンプスは何?》

(そうよ。
由紀さん、恋人いる?洋服何枚持ってる?他の人が沢山洋服持っていたらなんて言う?)

《恋人?当分いらないわ。仕事と勉強の邪魔なだけよ。
洋服は数えたことないけど、沢山持ってるわ。
他の人が洋服を沢山持っているかどうかなんて気にしたこともないし、そもそも他人の服に興味もないわ。》

(洋服沢山持ってますねって言われたことあるでしょう?どう思った?)

《あるわ。そのとおりだから“そうね”とは言ったけど余計なお世話、余計な口だわ。・・・と言うか、どうでもいい事をよく見てるもんだわ、怖いなあって思ったかな?》

(そう、怖いのよ、人のは目・・・
どうでもよくないのよ周りの人は。
それだけ外見は重要だってこと。
興味ないという由紀さん方が珍しいわ。
洋服たくさん持ってますね、確かに由紀さんの言うとおり余計な一言だわ。
でもね、周りは見ているものなの。
美しい容貌にお洒落な服、素敵に着こなしているか。
すべてインターフェイスで判断されているのよ。
いつも違う服、お洒落で素敵な服を着ている。
いいなぁと思う気持ちが羨ましいという気持ちに変わり、いつの間にか嫉妬心に変わる。)

《それと今回、君江さんがしたことと何の関係があるの?》

(見てのとおり私は年よりも若いし綺麗でしょ。だから・・)

《もう、いいわ。面倒くさい。自分で美魔女だと思い込むのは君江さんの勝手。
証明はできないけれど、君江さん、貴方のしたことは犯罪よ。
君江さんの冤罪を晴らそうと思っていたけれど、もう辞めたわ。》

コンコン・・・ノック音と同時にドアが開いた。
「前回使用の面会室空きましたのでどうぞ」

前回の面会室に戻れば、私が窓を閉めてしまうことを懸念した君江は即座に答えた。
『いえ、ここで結構です。このままで・・』

「いえ、移動します。」

『由紀さん、待って!』

私を呼び止める君江の声に振り向くこともなく席を立ち、早足で前回使用した面会室に移動し、すぐさま窓を閉め、ブラインドを下ろした。
          010066_convert_20130106204639.jpg

はぁ、よかった・・・
これで君江の視線からも解放されたと私は安堵した。
その時、ガシャーン・・・・・・
何かが割れた音がした。

「いきなり何もないのに・・・366番が・・藤田受刑者が。」
血相を変えた職員が私の元に走ってきた。
職員は満足に話が出来ていないことにも気づいていない様子でかなりの慌てようだ。

「どうしたんですか?何かあったんですか?」

「いえ、何もないんです、何もなかったんですが・・」

私は職員と共に、先ほどまでいた面会室に急いで戻った。
看守が倒れている君江に「しっかりしなさい!」と声をかけている。
その傍には割れた窓ガラスの破片が飛び散っていた。

                  024037_convert_20130106204731.jpg


--------------------- しつこいくらい つづく -------- デス ----------------


またまたUPがこんなに遅い時間に・・・・
ごめんなさい。
遅いくせに毎度申し訳ありません。
下記にWポチ頂けるととても嬉しいです。
そして今夜も、呆れながらもついうっかり最後まで読んでしまわれた皆様
ありがとうがざいました。
また明後日の月曜日22時以降に更新いたします。
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先日の東京地方のドカ雪に、やっと見つけたスノトレも既に雪、殆どないし・・・
来週半ばにまた降る予報ですが、どうかな・・・
皆様も滑りにくいシューズのご用意、今年は必要かもしれませんよ~

明日の日曜日は少し暖かいそうです。
きっとよい日になりますように♪
皆様に素敵な1週間となりますように・・



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