神様がくれた休日~真話か偽話か空耳か~

フィクションともノンフィクションともつかない一人話を 時には まじない交え思いつくままツラツラと・・

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Posted by 空耳ロバ on

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◆彼岸蛍

Posted by 空耳ロバ on

「次は終点の新宿、新宿駅。お忘れ物のございませんようお降りください。」

通勤時のラッシュは凄まじい。
すし詰め状態の電車のドアが開き、プラットホームは人の波で埋る。
改札を出ると、ゾロゾロと行列が続く。
その行列は、再び、満員電車へ乗り継ぐために、それぞれの改札口へ向かって続く。
誰一人、くるっと向きを変えて戻る者はいない。
まるで催眠術にでもかかったかのように、当たり前のように歩いている。
その列は止まることなく、規則正しく改札へ吸い込まれて行く。
いつもの朝の光景だ。

よくもまぁ飽きもせず毎日毎朝、同じ時間に同じところへ行くものだ。
会社に着く時には既にヨレヨレだ。
しかし、ひとたびこれが崩れようものなら、焦燥感に襲われることであろう。
これが当たり前の日常生活の一部となって組み込まれ、身体が覚えているのだから、これでよいのだ。


親にも頼ることなく小さいながらもマイホームを手に入れ、妻も息子も健康で暮らしている。
同僚の誰よりも早くマイホームを手に入れたことで、自分は同期の一歩先を進んでいるのだと自負もあり、
ローンの支払で生活は楽ではないが、そこそこ幸せだと満足をしていた。

あの日も同じだった。


「行ってきます。」

「気をつけてね。いってらっしゃーい。」
「パパ、いってらっちゃ~い」

急ぎ足で駅へ向かう。
これもいつもの光景の一駒だ。
だが、いつもと違うのは、このところ私は酷く疲れていた。

乗換駅のホームで電車を待っていた。
少し電車が遅れていたこともあり、ホームは押し合い圧し合いの混雑ぶりであった。
最近、息子は私のアタッシュケースの中に自分の宝物を入れる癖があるようで、先日もアタッシュケースの中から犬のぬいぐるみが出てきて驚いたことがあった。
今日は何が入っているかなと電車を待つ間にアタッシュケースを開いた。
思ったとおり・・・

ホームに電車が入ってきた。
私はヨロヨロと入ってくる電車に近づいて行った。



ゾロゾロと規則的に続く行列の中に私はいた。

「入館料3000円になります。」

えぇ?3,000円もするの?
マイホームローンを抱えたサラリーマンの私の1日の昼代500円からすると、入るだけで3,000円は高額だ。
引き返そうにも後ろから一定の速度で行列は続いている。
ここでモタモタしていると、後ろを歩く人の迷惑になってしまう。
私は渋々3,000円を支払い入館した。


「なんだ、ただの鍾乳洞じゃないか。」

その洞窟はドライアイスのような白い靄がかかり、自分の歩く足下さえ見えないほどだ。
よく見ると岩壁には所々に仏像のようなものが彫刻されている。
列に続き歩いていると、大きなフロアに入ったところで行き止まりになった。

           20120922000456017s_20121220180802.jpg

ほこらのような穴の中には1本の蝋燭が灯り、右と左に矢印が記されている。

右に進むべきか、左に進むべきかこれが迷うところだ。
就職の時も迷った。
結婚の時も迷った。
マイホームを購入する時も迷った。
だが、いつも自分で決めた道は正しかった。
私は左に進むことを選んだ。


-------------------- 次回へつづきます ----- すみません --------------------


週末も良いこと素敵なことがたくさん・・・なくても一つくらいはありますように・・・


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