神様がくれた休日~真話か偽話か空耳か~

フィクションともノンフィクションともつかない一人話を 時には まじない交え思いつくままツラツラと・・

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Posted by 空耳ロバ on

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◆彼岸蛍5

Posted by 空耳ロバ on

---------------------- 彼岸蛍4 の つづき 5 -----デス-----------------


城の入り口までうさぎのシェリーに案内してもらった私は、シェリーが交換してくれたまだオレンジ色の炎がしっかりと灯るランプを手に扉の前に立った。

城の扉は思いのほか重く、私は懇親の力で扉を開け中へ入った。

城の中は殆ど明かりがなく薄暗い。
自分のランプだけが頼りだ。
私は腕を伸ばし、できるだけ遠くにランプをやり、中の様子を窺った。

正面と左右に通路が別れ、途中部屋が幾つかあるのだろう扉がある。
その先には螺旋階段があり、上階へ上がれるようになっている。
ゾロゾロと歩いていた子供達は迷うことなく、別々の部屋、階段へと上がっていく。
行き先を知っているようだ。
私はどこへ行ったらいいのか・・・
自分の行き先がわからないから教えて欲しいなどと、大人の私が子供に尋ねるのはシャクだ。
とりあえず一番近い階段を上がってみることにしよう。
数歩、歩き出した。

『おい、小僧、来たな。お前の行くとこはそっちじゃねーよ!』

「その声はジョーカーさん?」
私を駅からチェロ弾きの白い猫サムのいる場所へ案内してくれたこうもりのジョーカーだった。

「ジョーカーさん、もうここにいらしていたんですか?早いですね。」

『ああ、コウモリだからな。小僧、お前はクソガキだからこっちだ。着いてきな!』

「クソガキって・・・」

『ほら、早くしろ!階段上るからな。』

「ちょっと待ってください、ジョーカーさん。
貴方はコウモリだから暗いところも見えるでしょうが、私は・・・暗くて足下が・・」

『モタモタするな!感で上がって来るんだよ!』

私はジョーカーの後を追い、3つある塔の真ん中の一番高い塔の一番上まで、なんとか上った。

最上階の明り取りから見る夜空はそれはそれは美しかった。

『どうだ、キレイだろ。』

「はい、こんなに大きく美しい沢山の星は生まれて初めて見ました。」

『そうさ。ここには余分な灯りはないからな。その分、星も沢山見えるんだ。
天文城って言うだけあるだろ。
さっ、おしゃべりは此処までだ。小僧、お前はこの部屋だ。じゃあな!』

「あっ・・ジョーカーさん、ありがとうご・・」もう行ってしまった。
やはりコウモリだ。早い。

私は目の前にある頑丈そうな木製の扉を開けた。
暗い廊下とは異なり、沢山の蝋燭に灯る炎に映し出された淡いグリーン色の室内は、少し怪しげだがなにやら引き込まれる魅力的な光景が拡がっていた。

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   『坊や、待っていましたよ。』
姿は見えないが女性の少し低い声が私に話しかけた。

「こんばんわ。あの・・」

そう言いながら入り口から一歩踏み出した私は、ジョーカーが実際は12,3歳の小僧だと、クソガキだと言った意味がようやく解った。
鏡面仕上げの光った石の床に、蝋燭の明かりが薄ぼんやりと映った私の姿は確かに子供になっていた。

なぜ?いつのまに?どうして?・・・

戸惑う私に、姿の見えない声は間髪を入れずに言った。
『もう少し中へお入りなさい。』
言われるままに中へ進むと望遠鏡が一台置いてあった。
子供の頃、もの凄く欲しくて父にねだったが買ってもらえなかった天体望遠鏡が置いてある。

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『覗いてご覧なさい。』

「いいんですか?」
私は子供のように心が弾んだ。
やったぁ!とばかりに足下にランプを置き、望遠鏡を覗いた。



「おまえ、サンタクロースっていると思う?」

『いるわけないじゃん!』子供の私が答えている。

「だよな。あれって、お父さんだもんな。いつ頃まで信じてた?」

『サンタなんて一度も信じたことないよ。
寝る時に枕元に靴下置いたって、朝起きればいつも空のままだった。』
ジョーカーの言うとおり、確かに私は可愛げのないクソガキだったな。。

あっ・・・。


困るんだよねぇ!    やぁどうも       天体望遠鏡        あ~疲れた
こういうことじゃ     どうもどうも     80万円分残業代      倒れそうだ・・
まことに申し訳なく               稼がないとなぁ       あともう少し・・
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はぁ。。。         こんな企画じゃ     今夜も盛上げ役     あー身体重い。
いやぁ全くもって    給料上がらないよ   頼むよ!大切な    酒飲めないのに
弱ったなぁ・・・     もっと頑張らないと   取引先だからね    あーしんど・・・
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私は父が大嫌いだった。

いつも、仕事だと言っては休みの日にも出勤し、子供の頃にキャッチボールをしたこともなければ、どこかへ遊びに連れて行ってくれたこともない。
酒の臭いをぷんぷんさせながら夜遅くに帰ってきては、朝も早くから出て行ってしまう。
同じ家にいながら、気付けば1ヶ月顔を会わせないこともあった。

それでも12,3歳くらいまでは、きっと朝起きれば靴下の中に天体望遠鏡が入っているだろうとクリスマスが来る度に毎年靴下を吊る下げていたものだ。
そして翌朝、必ず期待は裏切られた。

母が病気で入院した時も、救急車を呼んだ時も、父は家にいなかった。
仕事が忙しいと言って、ろくに見舞いにも来なかった、そんな父が私は大嫌いだった。

その父が、私に天体望遠鏡を買ってくれようと残業をしていたこと、酒が飲めないのに無理に付き合っていたこと、倒れそうなほど疲れ切っていたことなど、私は何も知らなかった。
何も知らずに私は、身勝手な父だと恨み、亡くなってから一度も墓参りに行っていなかった。
ジョーカーの言ったとおり、本当に私はクソガキだ。
くそったれの馬鹿な小僧だ。
覗いていた天体望遠鏡のレンズがにじみ、その先を見ることが出来なくなった。


泣きじゃくる私に姿のない声が話しかけた。

『やっとわかったようだね。
久しぶりにパパさんに会った気分はどうだい坊や。』

声が詰まり、答えることの出来ない私に姿のない声は言った。

『この先の廊下を進むと駅だからね。さあ、もうお行き。
電車の席に座るときは前を向いて、足を揃え、きちんとお座りなさいな・・・』

目の前の壁が開き暗い廊下が現れた。
私はランプを手に、部屋を後にした。


----------------------つ・づ・く あとでまたUPします。-------------------

皆様に素敵な一週間となりそうな予感です。
よいことがたくさんありますように・・・・・

またあとで。

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