神様がくれた休日~真話か偽話か空耳か~

フィクションともノンフィクションともつかない一人話を 時には まじない交え思いつくままツラツラと・・

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Posted by 空耳ロバ on

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◆ 因果応報 Ⅱ~不透明な関係(2)~

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-------  因果応報Ⅱ 不透明な関係(1)のつづき(2)デス  ----------

飯田の薦めで未公開株を購入した木村だったが、リーマンショックの影響で持ち株の殆どが紙くずと化し、飯田からの連絡は途絶えたまま数ヶ月が過ぎていた。


「まったく、僕はあいつに今までどれだけ騙されてるかわからないよ。
 まぁ、300万くらいだからいいんだけどさー」
(300?200万だろ。また話を大きくしているな)

「さすが、木村先生、セレブは言うことが違いますね~。僕だったらもう首くくりもんですよぉ」
「うちなんて患者増やすの必死で、そんな余裕とてもとても・・鰻すら2,3年食べてないよ」
「木村先生のところ、凄いですよね。お子さんはインターナショナルスクールに入れてるし」
「凄いなぁ~。どうしたらそんなに患者が増えて儲かるのか、羨ましいですよ。
 うちなんて1時間に一人の患者ですよ。場所ですかね・・」
『あはは・・場所は関係ないよ。
 患者増やすのはそれなりに努力しないと。うちは地道な努力をしているからね・・
 鰻くらいで情けないこと言うなよ、食べさせてあげようか・・しみずは行き付けの鰻屋だよ』
「えー!あんな高級店、行ったことないですよ」
「金持ちは違うよな」
「ほら、木村先生はセレブだから。行く鰻屋まで違うんだよ」
『ははははは・・じゃあ近い内に連れていってあげるよ』
旧友の崎山からはもはや見向きもされなかったが、歯科医師会の会合ではいつも輪の中心にいる木村だった。

(今やコンビニより数の多い歯科医院。どこも大変だろう。木村、いいのかそんな大口叩いて。)

その実、木村は借金だらけだった。
医院の事業運転資金・自宅・高級外車や身に着けている数々のブランド品、子供の学費に至るまで
その多くを金融機関からの借り入れ金で賄い、担保に入ったままの実家の借金もチビチビと返済を続ける苦しい生活を送っていた。
「どうしてくれるんだ!大損したじゃないか」
数ヶ月あまり連絡をよこさない飯田に木村は文句の一つも言ってやりたいが、200万の金でガタガタ言っているとも思われたくない、そんな思いが先に立ち、イラつきながらも連絡を取れずにいた。


「悪い!俺も開発には4000万も投資したのに参ったよ!
 リーマンさへなければ必ず上がったんだよ。この埋め合わせは必ずするから。
 ところで、木村、相談があるんだけど」
久しぶりに飯田から連絡が入った。

「なんだよ!200万も損させやがって、200万返・・・」
4000万か、額が違うな。ここで言ったら、200万の金にも困っていると思われる。
木村は咽喉元まで出かかった言葉を飲み込み、平然を装った。

「あぁ、しょうがないよ。リーマンは予測できなかったもんな。
 ところで、相談って何だよ?」
「実は、うちの老人ホームの件でお前に頼みがあって。ちょっと急いでいるんだ。
 今度は損はないから会って話したいんだ」
木村は、相談を急いでいると言う飯田と翌日会うことになった。

「実は、今、老人ホームで歯科医に訪問診療してもらってるんだけど、
酷いんだ。作った入れ歯は合わないし、雑だし、入所者からも苦情が多くて。
次の理事会で解任してお前に任せたいんだ。
訪問診療に必要な機械は全てこっちで用意するから、使いやすいのを買って請求してくれればいいよ。
顧問料は月50万出す、その他に診療報酬も全てお前にやる。
訪問診療用の診療室は、お前の実家の店舗を診療室に改装してくれるなら、その資金も5000万までなら出すよ
どうだ?悪い話じゃないだろ」

法律で、訪問診療は診療所から半径16キロ圏内と決められている。
木村と飯田が所有する老人ホームは60キロ離れている。
だが、木村の実家と老人ホームは16キロ圏内だ。
今の診療室は賃貸だ。
だが、実家の店舗を診療室として改装すれば家賃も出ないし、自分が年をとった時にゆっくりと診療もできる。

木村にとっては確かに悪い話ではないが、それでは飯田の利益が何もない。
なぜだ?不審に思った木村は尋ねた。
「顧問料は月50万、その上診療報酬も全額くれる、訪問診療用の機械も買ってくれる。だったら、お前に何のメリットもないのに、おかしいじゃないか」

「もともと病院や老人ホームは利益を目的としちゃいけないから、儲けなんかいいんだよ。
実際診ればわかるよ。酷いもんだよ。
親父の息のかかった歯科医だから、適当にやっても首にならないと思ってるんだ。
このままじゃ入所者が可哀想だし、評判が悪くなる。それどころか、既に落ち始めてる。
だから腕の良いお前に力を貸してもらって巻き返したいんだ。頼む!週1回でもいいから来てくれよ。
俺は親父を超えたいんだよ。」

飯田は父親が一代で築き上げた病院と老人ホームの単に,父親の跡を継いだお気楽経営者と思われたくないらしい。
男ならばそう思って当然だ。
「腕の良い/お前の力/親父を超えたい」いぶかしんでいた木村の琴線に触れた。

(さすが、精神科医だ。木村をくすぐるのも上手だな、飯田)

リーマンショックの影響で受けた損害を取り戻したい木村にとって、飯田からの申し入れは渡りに船だった。

訪問診療用の機械は唯で手に入り、毎月50万は必ず入ってくるわ、訪問診療の診療報酬も全額懐に入るわ、こんなに出来すぎた話はない。
そして何よりの魅力は、この歯科医院の他にも診療所を作り、老人ホームの顧問医もやっていると歯科医師仲間に自慢ができることだった。
自らの虚栄心が勝った木村は、つい先ほどまで持っていた飯田に対する懸念は消えていた。
だが、即答しては飯田に「暇」だと思われる、ここはじらさなければ。
「考えておくよ」

(そうだな、木村は「暇」だと思われるのが最も嫌いで「忙しい人」と言われるのが最もの褒め言葉だもんな)

「へぇー凄いなぁ。老人ホームの訪問もやってるんですか~」
「忙しいわけですね、凄いなぁ~、やり手ですね」
「このご時世に新しく支店開業ですか!いやぁセレブは違うなぁ」

普段から噂話好きで口の軽い自慢屋の木村が黙っていられるはずはない。
訪問診療の話を持ち込まれた2日後には既に吹聴していた。

老人ホーム訪問診療の話から既に4ヶ月が経過していたが、一向に話は進まない。
飯田から来るはずの催促の連絡も来ない。

「訪問診療、いつから始めるんですか?」
「新しい診療所、もう作り始めてるんですか?」
「ユニット、どこのメーカーのにしたんですか?」

(木村にはいい薬だな)

飯田に担がれたのかもしれない・・
吹聴し、引っ込みがつかなくなっていた木村は焦っていた。
飯田に連絡を入れると
「訪問診療いつから来てくれるんだよ。機械、早く買えよ。金額は気にするな。お前が使い易い機械を選んでいいよ。請求書回してくれていいからな。請求先はうちの医療法人宛にしてくれよ」
木村は安堵した。

(相変わらず単純だな、木村。この話に乗るな、乗ったら知らないぞ~)

木村の欲しい訪問診療用の機械は700万程するが、飯田が払ってくれるのだから安心だ。
ついでにポータブルのレントゲンも購入して併せて請求書を回すことにしよう。
注文し、飯田の病院へ請求書を回した。

自宅の改装はまだ始まっていなかったが
「改装工事は訪問診療と平行して始めたい」と言われていた木村は、吹聴してしまった訪問診療を一日でも早く始めたかった。
何か言われたら改装工事中だと言えばいいや。なんとかなるだろう!

(なるわけないだろ!!!ばか者!欲に目がくらんだな、木村)


------長くなると飽きるので----ま・た・あ・と・で----すぐ書きます-----

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