神様がくれた休日~真話か偽話か空耳か~

フィクションともノンフィクションともつかない一人話を 時には まじない交え思いつくままツラツラと・・

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Posted by 空耳ロバ on

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◆空の空4

Posted by 空耳ロバ on

--------------------- 空の空3 の つづき 4 ----------デス---------------


ハイジに連れられ、大男のいるメルヘンチックな館に案内され、ここで天空界を見学するビザ発給のための審査を受けなければならなかった。
別名「アガサの部屋」と名づけられた審査室には、壁一面に美術館の絵画が描かれていた。
審査内容はこの美術館の光景画はどこかおかしく、何かが隠されている、その謎解きをせよと言うものだった。

制限時間7分・・・・
ん~・・・

    005320_convert_20121004193049.jpg

子供の頃から雑誌に掲載されている間違い探しのページが好きだった私は間違い探しも得意だった。
が、、それは遊びの話しだ。
実際に、審査が通らなければその審査を9回も受け、それでも不合格になったら一生、この天空界の門番や手下として働かなければならないと言う切羽詰った状況では、得意分野であっても制限時間が設けられた間違い探しや謎解きも万全な力を発揮できないものだ。

まじまじと絵画を眺めた。
何が隠されているのだろう。。。どこがおかしいのだろう・・・
焦燥感が感を鈍らせる。

黒猫が3匹、男性客が4人、案内係がいてご婦人が、、
ん~・・
     003660_convert_20121005140528.jpg


「終了!!!!」大男のどすの効いた声が響いた。

「謎は解けたか?説明してもらおうか・・・」


『はい、わかりました。
まず、美術館の光景と同じ絵が飾られている。(白色枠で囲った絵だよ)
飾られた絵画をよく見て。
そして何事もなく鑑賞しているこの美術館で殺人事件があった。
殺されたのはこの美術館のオーナーだ。』


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                (白囲み部分の絵の拡大)
    絵画1

『ほらね!
この美術館の絵を小さくしたような飾られている絵には人型に記されている捜査の跡がある。
大きな絵の丁度、青色の楕円枠のところだね。ここでオーナーは殺されていたんだ。』

「なぜ、オーナーとわかった?」

『飾られた絵には、上に美術館のオーナーの名前があるけど、見て!
青四角枠で囲った大きな絵の方ではオーナーの名前が消されている。
だから殺されたのは美術館のオーナーだよ。』

「なぜ、殺人だと思う?病気かもしれないじゃないか。」

『これは殺人事件だよ。
飾られている小さな絵にはないけど、大きな絵の方を見て。
黒四角で囲ったところ・・・これは殺された時に飛んだ血痕が残っている。
だから殺人事件なんだ。』

   2012100516344522ds_20121220211338.jpg

「うーむ・・・なぜわかった?」

『この部屋の名前。アガサの部屋って言ったでしょ。
アガサクリスティ・・イギリスの推理作家、ミステリーの女王と同じ名前だったからだよ。』

「うーむ、、なるほど。。。それで?」

『エッ?それでってまだあるの?』

「肝心の犯人は誰だ?事件には必ず犯人がいるだろう。
犯人がわからないならビザは発給できないな。当分此処で毎日テストを受けてもらうことになるぞ。」

『待って!・・・犯人?、、、えっと・・・』

アガサクリスティの世界なら必ずこの中に犯人がいるはずだ。
誰だ?一番怪しい奴は?
・・目の前にいる大男を見るとやはり、ジャックと豆の木のジャックとジャックのお母さんに殺された巨人を連想してしまう。
ダメでもともとだ!

『犯人判りました。
この黒い服、絵の中、左端にいるサングラスをかけているこの女です!』

「。。。見事だ。。。
そうだ。この黒服の女が犯人だ。
この黒服の女は、昔、息子と一緒に巨人の城から盗みを働き、取り返そうとした巨人を殺して盗んだ品物で裕福に暮らした。
その罰として、この絵の中に封じ込まれたのだ。
よしッ!!ビザを発給してやる。
明日の朝、地図とビザを持って出発しろ。
今夜はゆっくり休め。」
そう言いながら部屋を後にした大男の目にうっすらと涙が光っていた。

審査が終わり部屋を出るとすっかりと夜になっていた。

ゆっくり休めと言われても、バニラビーンズのような甘い香りにメルヘンチックな部屋はどうも落ち着かない。
審査部屋、アガサの部屋を出た時の大男の涙も気になる。
大男は何をしているのだろう、まさか、夜な夜な包丁か斧でも研いでいるのではあるまいか。

私は大男の様子を窺おうと、ソーッと部屋を出て、明かりが漏れている書斎を覗いた。

          028474_convert_20121005203303s_20121220210531.jpg

 またお菓子?
書斎の机には、書物の他にケーキやクッキーなどの菓子が置いてあり、大男はよほどの菓子好きと見える。
一瞬、グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」を思い出した。

「ヘンゼルとグレーテル」あれもおかしな話だったな、、
貧しくて親に捨てられた兄妹が森の中で迷い、魔女の住むお菓子の家に入り込んで、ご馳走になった挙句、夜になって魔女に食べられそうになったからと、魔女を竈の火の中へ突き飛ばして、殺し、財宝を盗み、家へ帰り親子4人で幸せに暮らしたって話し。。
ありえないな・・
いくら食べられそうになったからと言って、殺した上に財宝を盗むだなんて子供のくせに、親の顔が見てみたいものだ。
ジャックのお母さんのようにヘンゼルとグレーテルも罰として絵の中に閉じ込められなければいけないな・・
そんなことを考えながら書斎を見回した。
しかし、書斎に大男の姿はない。
やっぱり、包丁を研いでいるのか?

廊下に出ると、審査を受けた2階の「アガサの部屋」の灯りが点いている。
私は音を立てないように慎重に階段を上がり、アガサの部屋を覗いた。

大男は先ほどの絵画の前で、絵の中の薄紫のワンピースに帽子をかぶった美術館の案内係の少女に涙を流しながら話しかけていた。
見てはいけないものを見てしまったような気がした私は、再び、音を立てないよう静かに自分の部屋へ戻った。

翌朝、前日と変わりなく無愛想な大男に、なぜか少しほっとした気分になった。

「これがビザ、これが地図だ。持って行け。」

大男から渡された「ビザ」は丸いガラス瓶に入った小さな苗、地図は何も書いていない古い木の皮のような物だった。

      004627.jpg   

『これがビザ?地図?って・・これ、何も書いていないけど。』

「そうだ。大事にしろ。
地図は必要な時になれば浮いて出てくる、お前の行くコースは決まっている。
何も書いてなくても気にするな。」

『決まっている?』

「お前は「氷山の一角」からスタートする。そこまではハイジが案内する。そろそろ向かえに来る頃だ。」

どん!どん!

「ハイジが迎えに来た。 もう行け!」

『あ、ありがとう。』
私は大男に礼を言い、迎えに来たハイジと共に家を後にした。
何歩か歩いたところで大男の家を振り返った。

『アッ・・・』

その家のには・・・

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あの表札の意味、そして大男があの家にいる理由(ワケ)は、道々、ハイジに聞くことにしよう。
・・・と、私は「氷山の一角」に向かって歩き出した。


------------------ 次 回 へ ----------- つ づ く -------------デス--------



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